くらし情報『「平和の尊さを訴えて」「夢に出てきて」三回忌追悼企画“いま寂聴さんに願うこと”』

「平和の尊さを訴えて」「夢に出てきて」三回忌追悼企画“いま寂聴さんに願うこと”

「私は三島由紀夫さんをはじめ、多くの小説家とお付き合いしました。皆さんに共通するのが記憶力の凄さです。初対面から数年後に再会したとき、瀬戸内さんがリビングに置いてあった家具や、壁紙にはビロードが張ってあったことなどを記憶していたことに驚かされました。また寂庵の本棚には、たくさんの本がぎっしり詰まっていたのですが、どの本に何が書かれているのか、スラスラ話せるほどだったのです」

2015年7月、原爆投下から70年を目前にした長崎市で、2人はトークショーに臨んだ。

「トークショーのテーマの1つが反戦でした。私も実家のカフェで働いていた青年が出征することになり、見送りに行ったときのことなどを話しています。汽車が出る瞬間、駅に来ていた青年のお母さんが、彼の足にしがみついたのです。『死ぬなよ。
どげんなっても、生きて帰ってこいよ』と。

すると憲兵が『この戦時下になんだ!』と、お母さんの襟首をつかんで突き飛ばして、彼女は鉄骨に額をぶつけて、血を流していました……。

いまは、そうした時代に逆戻りしてきているように思います。瀬戸内さんも、『戦争に、いい戦争とか、国民の幸せのための戦争なんていうのはないんですよ。

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