「平和の尊さを訴えて」「夢に出てきて」三回忌追悼企画“いま寂聴さんに願うこと”
集団人殺しですからね。自衛隊員にもそれをさせてはいけない』、そうおっしゃっていました。あの方は同じ思想や価値観を持っている、そう感じてきたのです。
現在、ロシアとウクライナ、そしてイスラエルとハマスが戦争をしています。人間はいずれ死にます。ただし、罪なき市民を殺したり、虐殺をしたり、略奪を繰り返した人間は、死んだ後も、その犯した罪は消えません。
瀬戸内さんもご存命であれば、世界で戦争が続いている状況にイライラなさっているのではないでしょうか。もしかしたら現地に駆けつけていたかもしれません。
いまこそ“反戦”と“平和の尊さ”について、訴えていきたかったんだと思います」
■「先生は観音様みたい。あのやわらかくてあたたかいハグを」詩人・伊藤比呂美さん(68)
「コロナ禍以前は、2〜3カ月に1回ほど、寂聴先生に会いたくなって、寂庵を訪れていました。私はアメリカでの生活が長かったこともあり、寂聴先生とお会いするときは、いつもハグをさせてもらうんですね。やわらかくて、あたたかくて、小さくて、まるで観音様を抱いているようなんです。叶うことなら、また先生にハグをさせてもらいたいです」
こう語るのは詩人の伊藤比呂美さん。