「父親のような存在」GACKTが涙ながらに語った緒形拳さんとの絆 毎年お墓参りで報告も
体調が悪い日も多く3時間待ち、4時間待ちの時もあった。実はこの時、体調が悪くて起きられないような日でも、マネージャーに「ガックンが待ってる」と言ってくれていたらしい。
ある日のリハーサルのことだ。謙信の父親の宿敵だった、拳さん演じる〈宇佐美定満〉を説得し自分の軍師になってくれと願う[三顧の礼]のシーンの台本の読み合わせの時のこと。宇佐美はもともと謙信の父親の宿敵で何度も謙信の父親の行手を阻んだ人物だ。宇佐美に初めて自ら会いに行き、己の軍師になってほしいと願いを届けるシーンだ。リハーサル終わりに、「ガックンな、大河ってのは恋愛のシーンがほとんどないだろ?このやり取りは、言わば恋愛のシーンみたいなもんだ。オマエの今の言葉では、オレの心は動かん。
本番までに仕上げてこい」と言われた。その日から本番までの5日間、一人でセリフの練習を何度も何度も重ねたが、やればやるほどわからなくなっていった。
[演じることとは演じないこと][演技とはそれを表現する技術のこと]、普段から拳さんがボクに言っていた言葉だ。これがずっと理解できなかった。このセリフの練習をしている時にふと、一つの考えが頭をよぎった。『演技をすることとは、与えられた役を自分に纏うのではなく、自身の積み重ねた経験によって得た多くの感情や想いを、役を通して表現していくことなのか?』と。