くらし情報『「国民年金」支払い期間65歳に延長へ――年金70歳支給時代の現実味』

「国民年金」支払い期間65歳に延長へ――年金70歳支給時代の現実味

ファイナンシャルプランナーの中村薫さんに解説してもらった。

同年齢の夫婦のケースで、厚生労働省の「令和4年簡易生命表」の2022年の70歳からの平均余命から、妻は90歳、夫は86歳まで生きると仮定した。まずは国民年金の場合、現行制度下で、それぞれ満額の79万5000円を受給する夫婦は、生涯で総額3816万円の年金を受給する計算になる。

保険料の納付期間が5年増えると、夫婦2人で200万円ほどの負担増になるのは前述のとおり。

「現在の国民年金の満額は79万5000円ですが、5年分保険料を上乗せして納めることで、9万9375円が増額され、年額89万4375円を受給できることになります」(中村さん、以下同)

夫婦2人だと約20万円の増額で、年間の受給額は約179万円。

「保険料200万円に対して、年間20万円の増額ですから、約10年、年金を受給すれば、延長で払った保険料を受給額が上回ることに」

しかし、年金の受給開始年齢が70歳に引き上げられた場合、夫婦2人の生涯の受給総額は約3400万円と、現行制度下よりも約416万円も減ってしまう。さらに、保険料が200万円も増えていることも忘れてはならない。

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