「国民年金」支払い期間65歳に延長へ――年金70歳支給時代の現実味
納付期間が完全に65歳に引き上げられるのは、早くても2030年以降、現在50代前半よりも下の年齢の人が対象になると考えられる。
■納付期間の延長は70歳受給開始の布石か
「納付期間の延長は家計にとって大きな負担になりますが、そのぶん受給できる年金が増えるというメリットもあります。
しかし、納付期間の延長は、現在65歳が基本とされている年金の受給開始年齢の将来的な引き上げにつながる懸念があります。これは国民年金に限った話ではなく、会社員などを対象にした厚生年金も例外ではありません」(石田さん)
以前は年金の受給開始年齢は60歳だったが、法改正により段階的に引き上げられて65歳となった。経済部記者はこう指摘する。
「それに伴って、60歳以上の人も、本人が希望すれば再雇用することを企業に義務付ける法律が作られました。現在は、65歳までが“義務”で、70歳までが“努力義務”になっていますが、将来的には70歳までの雇用が義務付けられ、年金の受給開始年齢も70歳に引き上げられる可能性が十分あります」
仮に、保険料の納付期間が65歳までに引き上げられ、受給開始年齢も70歳になった場合、私たちの老後はどうなるのか。