GACKT 初自伝『自白』で明かしていた「急逝した元メンバーへの悔恨」
ただ、ただ、苦しい。呼吸が乱れて息苦しく、普通に生活ができないレベルになってしまう。
虫の知らせのようなものだと思う。そのあと、僕はマリスミゼルのメンバーとつながりのある人間に電話を入れた。
メンバーは無事か?という僕の切羽詰まった問いに対して、答えは「今日、会いましたけど、元気でしたよ」というものだった。
それでも不安は消えなかった。もっとマリスに近い人物にも会いに行った。夜中だったが、メンバーが無事かどうかをすぐに確認してくれると、言ってくれた。
でも、結局、連絡は来なかった。
それから1週間後だった。Kamiの死が公表された。
後でわかったことだけど、僕の気分が悪くなったのは、Kamiが亡くなった直後のことだったらしい。
Kamiの死は、結局、回り回って友達から聞くことになった。すでに、葬儀も終わっていた。
ちょうどレコーディングの最中で、僕は、スタジオにこもっていた。全く何も手につかない。
でも、やらなきゃいけない。自分にそう言い聞かせていた。やらなきゃおかしくなりそうで……。
すごい後悔が残っている。
なぜ、僕は直接、Kamiに電話をしなかったんだろう。間に人を介するのではなく、なぜ直接、Kamiと話そうとしなかったんだろう。