「年金モデル世帯」の見直しへ 実質66万円も減額…便乗「年金減額」に警戒を
「年金受給額に関して恵まれている従来のモデル世帯が、もっとも所得代替率が高く出ます。さまざまなケースを想定することになれば、所得代替率が50%を下回る試算結果が出てくることでしょう。
そもそも少子高齢化のなか年金制度を維持するには、年金保険料の値上げ、所得代替率の引き下げなど、方法は限られる。前者は反発されやすいですが、所得代替率は理解が進んでいないため、変更しやすいという見方はできます」
現状のモデル世帯をもとにした所得代替率は今の社会にそぐわないとして、見直しの俎上に載せられる可能性がある。
■所得代替率46%で“実質”年金は年66万円目減り
所得代替率50%ルールが撤廃された場合、年金額はいくらまで下げられるのだろうか。ヒントは前回の財政検証にある。
「財政検証の最悪のシナリオでは、所得代替率が46.1%と、将来的に50%を割り込んでいる試算結果も明示されています。国は、現実的な数字として捉えていると思います」(北村さん)
「同シナリオでは、年金積立金が枯渇した場合は所得代替率38〜36%まで下がるとしていますが、生活が困難になるため、そこまで下げることはないでしょう。