「実質賃金」過去4年で下がった業界、上がった業界は?物価上昇で金融・保険業は年収18万円減
それに合わせてさらなる賃上げも行われるでしょう。また昨年の4%近く、今年の4%を超える賃上げを牽引したのは製造業。今後収益性が高まれば物価上昇を超える昇給の余地も出てきます」
一方、実質賃金を大きく増やした業種もある。
「飲食サービス・宿泊業」(月収30万6千808円、指数121.8)は、実質賃金では3万5千155円増えていることが明らかに。
山口さんが語る。
「『飲食サービス・宿泊業』はもともとほかの業種と比較して給料が低かったこと、さらにコロナ禍が拡大して宿泊施設や飲食店が打撃を受けた2020年が基準で、その後の外国人が国内を訪れるインバウンド効果があったことが上昇率を大きく伸ばした要因です。
美容院やクリーニング店などの『生活関連サービス等』(30万6千235円、指数108.7)にも言えることですが、最低賃金が年4%ほど上がっているパートタイマーが多く、パートの給料につられる形で正社員の給料も上昇しています」
さらに「運輸業・郵便業」(35万3千187円、指数106.9)もわずかだが実質賃金が上昇している。
「トラックなどのドライバーの時間外労働の上限規制が適用される『2024年問題』による物流の停滞が危惧されているとおり、運輸業は圧倒的な人手不足です。