「実質賃金」過去4年で下がった業界、上がった業界は?物価上昇で金融・保険業は年収18万円減
人材を確保するため給料を上げざるをえないのです。またJALやANAが貨物事業を強化するなど業界の動きも活発です。
自動運転などでのAIの導入がそれほど進んでいないこともあり、人材確保のために今後も給料は上がっていくことが予想されます。
また『建設業』(37万2千2円、指数104.9)も人手不足が大きな問題。今年3月、政府は賃金が低い一方、労働時間が長い労働環境を改善する法律の改正案を閣議決定しました。国の後押しを受け昇給が続く可能性も」(柏木さん)
人手不足といえば「医療・福祉」(32万7千357円、指数102.3)も深刻だが……。
「訪問介護事業者の4割が赤字という収益が厳しい介護職の給料は“ない袖は振れない”で上がっていません。職員の処遇改善加算(手当)という国の補助による下支えがあって、2020年と比べて月収は多少増えていますが、この物価上昇にはとても追いついていません。
介護サービスを利用する高齢者が増えることを考えても、介護保険料で賄うのは難しい。なんらかの対策が必要でしょう」(山口さん)
平均賃上げ率が5%超えとなった今年の春闘の結果から、すぐに実質賃金がプラスに転じるとの予測も出ているが、値上げラッシュがさらに加速することも。予断を許さない状況はまだまだ続く。
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