くらし情報『柿澤勇人(36)「蜷川幸雄さんにボッコボコにされた(笑)」思い出の地で挑む『ハムレット』への決意』

柿澤勇人(36)「蜷川幸雄さんにボッコボコにされた(笑)」思い出の地で挑む『ハムレット』への決意

と振り返る。

「まったくのど素人だった僕が、入所して半年くらいでオーディションに受かって初舞台を踏みました。四季にいる間は、自分は天才なんじゃないかと勘違いするくらい、本当にとんとん拍子でした」

しかし、次第に「俳優とはなんだ?演技とはなんだ?」「ミュージカル以外のこともやりたい」と考えるようになった彼は、劇団四季を辞めて、それを追求する道を選んだ。

「当時、あの劇団四季に入って2年半で主役まで上り詰めたのだから、芸能界でもやっていけるだろうと思い込んでいたんです。ところが、ドラマなどの映像作品のオーディションを受けても全く受からない。舞台だったらいけるだろうと思っていたら、蜷川幸雄さん演出の舞台『海辺のカフカ』(2012年)でボッコボコにされた(笑)。まさに、この場所です。さいたま芸術劇場で何回泣いたことか。
泣きながら一人居残り練習をして、それでも全然ダメで、そこでわかったんです。四季は男の役者がそれほどいないから抜擢されただけ、自分の実力でもなんでもなかったんだ、と。自分よりも才能のある人はいくらでもいるということを蜷川さんに教わりました。四季のときも、浅利(慶太)先生によく怒られていましたけど、蜷川さんはその何十倍、何百倍です。

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