柿澤勇人(36)「蜷川幸雄さんにボッコボコにされた(笑)」思い出の地で挑む『ハムレット』への決意
そういう意味では、初めての挫折だったのかな」
その蜷川幸雄の後を継ぎ、彩の国シェイクスピア・シリーズの芸術監督を務める吉田鋼太郎。2015年に舞台『デスノート THE MUSICAL』で共演して以来、プライベートでも親交がある。
「昔は、鋼太郎さんに『俺の若いころにそっくりだ』と言われていました。でも、鋼太郎さんのように芝居のために人生を捧げるような生き方はできない。もっと穏やかに生きたいんですよね(笑)。ただ、僕が置かれている状況だったり、葛藤だったりというのは、おそらく鋼太郎さんは全部わかってくださっていて、僕が考えていることはだいたい見抜いていると思います。『もっと売れなきゃ』とか、そういう思いは、かつて鋼太郎さんも同じように持たれていて、今のようになるまではずっと悶々としていたし、全員なぎ倒してやる! と思っていたらしいですから」
今回、演出家と役者として対峙するにあたって、どのような覚悟を持っているのだろうか。「もう委ねるしかないです。
鋼太郎さんご自身、ハムレットという作品にたくさん出ていますし、以前ハムレットも演じています。僕がこうしたい、ああしたいと言ったところで、『そんなもんじゃない、もっとこいよ』って言われるのはわかっているので、それに負けない心を持つことが大事。