止まらぬ円安で「隠れ増税」も!物価高とのダブルパンチで家計負担は年10万円増
これを誰が負担するのか。企業は商品価格に転嫁するので、結局消費者が払うことになるのです」
概算だが、約10兆円の負担増を1億人の国民で賄うと、1人あたり年間10万円となる。乳児から高齢者までが一様に10万円とは相当なダメージだろう。さらに円安が170円まで進むと、春闘で獲得した賃上げ効果は消滅し、実質賃金はマイナスのままだという。
生活の隅々まで広がる円安のデメリットとは?斎藤さんに20の項目を聞く。
■輸入品の値段は1割上昇。影響を強く受ける品目
【1】小麦・うどん
需要の約9割を輸入に頼る小麦は、政府が買い上げ売渡価格を決めている。次回10月の改定で10%程度上がってもおかしくない。
政府が値上げ分を吸収するというが、「負担吸収には限界がある。いずれ10%高となるでしょう」。1杯500円のうどんは、約半分の輸入コスト250円がまずは円安で275円に上昇。それだけなら525円で販売できるが、人件費や輸送費、電気・ガス料金なども高騰中だ。10%値上げして550円で販売しないと採算が合わない。
【2】国産米、納豆
輸入とは無縁に感じる国産米も肥料の多くを輸入に頼る。また、大豆は9割以上が輸入品。