「向こう三軒両隣」は私が守る!マンモス団地の女性自治会長の奮闘
うちの子供たちは、団地のご近所さんに大きくしてもらったんです。
24歳で結婚。以降、市内のアパートや借家での暮らしを経て、前述のとおり大山団地へ。
やがて、わが子の成長とともに団地内の子供会やPTAの活動にも徐々に参加するようになる。
「そのうち、子供会などの活動を通じて、自然に自治会の様子も垣間見えるようになると、さまざまな疑問が生じてきました」
■違法駐車をした車に貼り紙をしたら持ち主の男性が「ぶっ殺すぞ!」と
「自治会活動について、まず母親として思ったのは、主催イベントが、夏祭りと運動会しかないこと。年に2回集まるだけじゃ、住民同士の顔も覚えられません。
次に、役員に女性がひとりもいないこと。外で活動するのは世帯主というのが当時の常識でしたから、自治会もおのずと男性だけ」
そしていちばん引っかかったのが、お金の問題だった。
「これだけのマンモス団地で自治会費も相当な金額になるはずですが、どうも使い道が不透明。すし屋なんかで会合してるのも、『あれは自治会費で飲み食いしてるのでは』という噂が流れていたり。
それでも誰も、『おかしいのでは』と声を上げなかったんです」
転機は、末っ子の次男が成人した翌年の1996年に訪れた。