「向こう三軒両隣」は私が守る!マンモス団地の女性自治会長の奮闘
というのも、ここ大山団地もいよいよ、そうした助け合いの精神が時代の進展とともに失われているように感じていたからです」
以降、ことあるごとに佐藤さんは住民たちに呼びかけていく。
「せめて自分の両隣だけでも、いつも声かけしてください」
もちろん精神論だけでなく、改革は“自治会費納入率100%”や“住民名簿の充実”“趣味サークルの立ち上げ”など、具体的かつ生活に密着したものばかりだった。
「会費納入率100%達成は、よそではそうはいかないと思います。これも振り込みにしないで、各班の班長が集金に出向くようにしました。実は、安否確認の目的もある。顔を見て、『変わりないですか』『ご苦労さまです』の挨拶を交わすのが大事なんです。
“人材登録”も、眠っている技能や資格の活用になります。住民のなかには着付けや通訳など各分野のプロも多かった。
その才を催事などで適材適所に生かすわけです」
“違法駐車撲滅”では、こんな騒動も巻き起こった。
「路上駐車の車に『移動させてください』と貼り紙をしたら、自動車にガムテープの跡がついたと男性が怒鳴り込んできて、最後には『ぶっ殺すぞ!』と。『ひとりで話し合いに来い』と言うから、夫は心配しましたが、私は行きましたよ。