“駆け込み寺”の庵主さん語る女性のあり方「あなたの名前は“お母さん”でも“奥さん”でもありません」
お経を終えた5時半ごろが一日のなかでいちばん元気かも(笑)。本当に修行好きなんです。3秒で寝落ちできる方なので健康面は安心ですが、貧乏寺で修理のため屋根や塀に自ら上られるのでケガだけは心配ですね」
今年1月に起きた能登半島地震では、直後から「被災地の女性を寺で受け入れます」というメッセージを発するだけでなく、月2ペースで庵主さんやツイ担さんが現地を訪問しての支援も続けている。
さらに庵主さんには今後、看護師や看取り士のキャリアを生かして取り組みたいことがある。
「僧侶である私のライフワークとして、終末期看護や在宅看取りのお手伝いもしていきたい。また、男女平等の時代ですが、不徹寺の歴史を考えても、私はあえて女性のための寺を打ち出していきたいと思ってます」
そして午後1時過ぎ、梶田さんたちを山門で見送る。この2日間をふり返って、梶田さんは、
「私は家族のために悩んでいたつもりでしたが、見方を変えると、私のほうが家族依存で恩着せがましくなっていたかもしれません。
庵主さんに言われたように、これからは、まず自分に目を向けて生活していきたい。
すぐには変われないかもしれませんが、修行体験でその練習ができました」