海上自衛隊で女性初めての“海将”になった近藤奈津枝さん 本誌に明かした「入隊を母に大反対された過去」
女性であるために大きなビハインドはあったが、配属された経理や補給の仕事の現場で、着実に活躍の場を広げていこうと決意していたという。
「現在の海自はワークライフバランスを重視していますが、私が若いころは、予算編成時期や演習期間は、何日も連続で泊まり込んで仕事をしたり、徹夜に近い状態が続いたりしたこともありました。
そんなとき私は分隊長として、業務が一段落するのを待って、若い隊員たちに『みんな、そのくらいにして、一度中断して飲みに行くよ』と誘っていました。振り返ってみると“気分転換になるどころか、逆にキツいんですけど”と、彼らからすれば不評だったかもしれませんね」
当時から休日でも夜の酒席でも、部下とのコミュニケーションを絶やさなかった。現在、近藤さんを補佐する青木邦夫幕僚長はこう語る。
「幹部候補生学校では私は97期で、近藤総監は89期。8期先輩にあたりますが、私が入隊したころにはすでに有名な方で、お名前は存じ上げていました。笑顔が絶えず、明朗な方という印象です。
10年ほど前、佐世保地区で私が護衛艦の艦長をしていた時代に、近藤総監(当時、佐世保地方総監部・経理部長)と同じ地区での勤務地になりました。