小林千絵語る「河合奈保子との上京」と「履歴書をゴミ箱に」暗黒時代《あの80年代アイドルの今》
奈保子ちゃんは洗練されていない宝石の原石みたいな感じだったんです。私は高校1年生だったのでおしゃれに興味をもつ年ごろで、頑張っておしゃれするじゃないですか。でも奈保子ちゃんは白に汽車のアップリケがついたようなトレーナーを着ていて、素朴な感じだったんです。それでいて透き通るような透明感があって本人から出てるオーラが凄くて。結局、奈保子ちゃんと私の2人が大阪代表として選ばれ東京の本選に進んだんです。
東京の決選大会に行くときに、私は兄と、奈保子ちゃんはお父さんといっしょに4人で新幹線に乗って東京に行ったんです。本選は中野サンプラザホールでした。そこに一緒に行って、すごく仲良くなって、トイレ行くのも手をつないでという感じで(笑)。
本戦の最後に『河合奈保子!』と選ばれたとき、集まっていたマスコミのカメラマンが一斉に奈保子ちゃんのところに集まってフラッシュたいて、さっきまで手をつないでいた奈保子ちゃんが遠い存在になってしまったという経験があって……。私はしょんぼりと大阪に帰って普通の高校生の生活に戻ったんです」
それでも芸能界を諦めることはなかった。
「奈保子ちゃんから“デビューが決まりました”という手紙をもらって、それを読んだときに『私も追いかけるからね』と返事を出したんです。