上野千鶴子さんに教わる「おひとりさまの在宅死」に必要なこと
のためには4つの力が必要だと上野さんはいう。1つずつ解説してもらった。
【おひとりさま力】
「まず自分自身が『最期まで家にいたい』という強い意志を持つことです。私が『おひとりさまの最期』(朝日新聞出版)を書いたのは、ひとりで死んだら『孤独死』といわれることに『大きなお世話』と言いたかったから。ひとり死を阻む抵抗勢力のひとつが家族です。子どもは『老親をひとりにはしておけない』『親は必ず看取らねばならない』と思いがちですが、高齢者の『ゆっくり死』には時間がかかりますし、たとえ死に目に会えなくてもお別れの機会はたくさんあります。そして、結婚していても夫が先に死ぬほうが多いんですから、シングルライフを最期まで謳歌すればいいんです。そのためには高齢期になったら、都市機能が発達した便利なところに住むのがベスト」
【ちょっとのお金】
「ある訪問看護師の『自己解放』という言葉に感心しました。
年齢とともにできなくなることを、他人に委ねることが大事。何もかも自分でやろうとせず、ちょっとのお金で遠慮なく助けてもらいましょう。介護保険は利用料の上限が決まっていたり、サービスの内容にも制約があります。