上野千鶴子さんに教わる「おひとりさまの在宅死」に必要なこと
在宅ひとり死には、いくらか足りません。が、いくらもかかりません」
【司令塔の役割の子ども】
高齢になると人は子に依存しがち。四六時中携帯電話にかけ「すぐ来い」という人も少なくない。最初に電話をかける相手を訪問看護ステーションやケアマネジャーに変え、家族以外の選択肢を作れば、ひとりで暮らすことに家族も自分も安心できる。
「介護における子どもの役割は『司令塔』です。メールや携帯でケアマネージャーとやりとりできる司令塔の役割をするだけでいい。司令塔の役割は意思決定。子どもがいなければ、子どもに代わって司令塔の役割をしてくれる誰かを調達すればいいのです」
【24時間連携の介護と医療】
人によっては終末期まで数年を要することもある。
24時間連携の介護と医療があれば、ふだんの生活を支えられる。上野さんは、’12年にできたサービス「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」をすすめる。
「このサービスは、1回10〜15分の訪問介護を1日4〜5回、毎日使うことも可能です。たとえば、要介護5の親と同居していても、鍵をヘルパーに渡しておけば、夜中に家族が寝ているあいだにおむつの交換をしてくれます。