「在宅死」を望む家族を、仕事を辞めずに看取るために必要なこと
たとえ病気であっても、家で最期を迎える時代がやってきた。高齢社会が加速し、介護施設の不足も深刻化するなかで、国の方針は在宅ケアに向かっている。制度を最大限に利用すれば、フルタイムで働きながらでも家族が望む「在宅死」を実現することができるという。
「事業を展開するのはまだ、東京23区のうち新宿、世田谷、杉並、大田、葛飾の5区ですが、現在エリアを拡大中です。サービスの提供圏は事業所から半径1キロ以内。夜中の緊急コールにも自転車で5分程度、遅くても10分以内でかけつけます」
そう語るのは、SOMPOケアメッセージの介護サービス「在宅老人ホーム」地区本部長の斉木康作さん。「在宅老人ホーム」は、’15年2月に開始した同社独自の民間介護サービス。「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」のサービスをベースに、別料金で3度の食事の手配、掃除、洗濯、ごみ出し、草むしり、電球の交換など、生活に必要な介護保険外のサービスを提供する。
介護保険でカバーできて、看取りを行う家族の負担を少なくするのが「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」制度だ。1回10~15分の訪問介護を1日4~5回、1週間に4~5回行っても、利用料金は要介護5でも最大で3万5,000円程度(介護保険1割負担)。