くらし情報『東大卒エリートが「主夫」に、育児にのめりこんだ理由とは』

東大卒エリートが「主夫」に、育児にのめりこんだ理由とは

そのまま研究員となった。そして、高校の同級生だった泰三さんと結婚。ほどなく、実苗さんは長男・峻平くん(9)を身ごもる。しかし、東大の研究室に勤務していた実苗さんには長期の育児休暇が取れないことが判明。そこで泰三さんは、2年間の育児休暇を取得することに。

「まだ鬱々として『子育てってつらいばっかりだな』と思っていた生後3カ月のころ。散々泣いていた峻平をベビーベッドに寝かせたら、僕に向かって不意にニコって笑ったんです。もう、胸キュン。
ヤバい。ときめく。それからですね、どんなに大変でも、あの笑顔を見るために頑張ろうと思えるようになったのは」(泰三さん)

育休を取って1年がたつころ、実苗さんのアメリカ転勤が決まる。人類遺伝学を専門とする実苗さん。その分野をリードするスタンフォード大学への博士研究員としての留学がかなったのだ。そして、実苗さんと峻平くんと一緒にいるため会社に長期休暇願いを出すが否認。泰三さんは会社に辞表を提出し正式な主夫となった。 

実苗さんは現在、留学を終え、独立行政法人で医学系研究データのデータベース作成の仕事で収入を得る一方、夜は古巣の東大で遺伝子研究を続ける科学者だ。

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