介護保険選びの前に…知っておきたい“公的サービス活用”の道
生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんは次のように語る。
「ずっと民間の介護保険料を支払い続けるよりも、その分を貯蓄するという考え方も“あり”でしょう」
民間介護保険で一時金が支給される要介護・要支援の認定年齢も知っておきたい情報だ。厚生労働省の介護給付費実態調査月報によると、65〜69歳では、何らかの認定を受ける人は、全体のわずか3.0%にとどまっている。年代が上がると徐々に認定率は上がっていくものの、80〜84歳でも認定率は29.9%、85歳以上で60.3%だ。
「80歳を超えても3人に2人が、85歳を超えても4割が認定を受けていない。ということは、介護保険の保険金を受け取れない人が多いという計算になります」(柏木さん)
さらに、国の公的介護保険と、民間の保険会社の介護保険では認定基準が必ずしも同じではないことにも要注意だ。
「国の介護認定は、要支援1〜2、要介護1〜5までの7段階ですが、保険会社によっては、3〜7段階などの独自の判定基準を設けています。国の判定で要介護3だったのに、保険会社の判断はそれよりも軽い認定結果になってしまうというケースも考えられます」