出産後に変化…脚本家が書き換えた『べっぴんさん』の台詞
ところが、番組の関係者たちと物語のテーマや展開、登場人物などについて話し合いをしている過程で、渡辺さんのおなかには新しい命が……。胎動を感じながら執筆した日々を、渡辺さんはこう振り返る。
「将来、子どもには『あなたがおなかにいたとき、ママはこういうお仕事をしていたの』という話をするでしょうから。子どもに何度も繰り返し見てもらえるような作品にしたい、と思って書いていました」(渡辺さん・以下同)
そして、昨年の1月下旬に女児を出産。約1カ月の産休をはさんで仕事に復帰した。出産を経験する前と後では、人間として、作家=脚本家として、ものの見方や考え方に大きな変化が生じた。
「男性の心理は女性の私にはわかりませんので、想像したり取材をして書いていました。でも、出産を経験してからは、男女の心理を問わず『ああ、こういうことか』と思ったことは多々ありました」
その最たるものが、わが子への母の思い。
母親になった瞬間「もうこの子のいない人生は考えられない」と思ったという渡辺さんは、復帰後、脚本のある部分を書き直すことにした。