国内初「第三者卵子で出産」の陰にあった”ある母親の闘い”
レシピエントさんには治療費など実費のみを負担してもらうことにしました」
この「無償での卵子提供」を理解してくれる女性がどれほどいるのだろうかと、当初は不安だった。
「すぐに電話が鳴りっぱなしに。設立の記者会見後3日間でドナー希望者が100人を超えました。これこそ日本女性の“助け合いの精神”だとうれしかったですね」
JISART(日本生殖補助医療標準化機関)の厳格なガイドラインにのっとり、条件を満たしたドナーと、提携先のクリニックに通院するターナー症候群や早発閉経の女性とマッチングする。昨年春ごろには受精卵をレシピエントの子宮へ移植し、今年1月、日本初の第三者の卵子提供による出産へ。
「会の発足から4年もかかったので感無量。医療関係の仕事に就いた娘も『へー!すごいやん!よかったなあ〜』と喜んでくれました」
現在、2人のターナー女性が「OD-NET」を通じて卵子提供を受け妊娠中。
「2例目、3例目が誕生することで法制化が進むと信じています。
病気などで不妊に悩む女性のために、卵子提供という選択肢を」