家賃収入では返済できず?「アパート経営」のリスクを解説
「一般の方がアパート建設に踏み出すのは、相続税の節税が目的です。相続税は’15年の改正で、課税対象が広がりました。相続税を払わねばならない人が増え、節税ニーズも高まっています」
そう話すのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。今、特に地方で増えている賃貸アパートの建設。貸家の建設数は5年連続の増加で、’16年は8年ぶりに40万戸を超えた(国土交通省)。アパート建設の増加は、従来の業者ではない一般の人の参入が一因と考えられるという。銀行でお金を借りることで資産額が相殺され、相続税対策になるといわれるが、そんなにうまくいくものなのか?荻原さんが解説してくれた。
「節税の仕組みは、次のとおりです。
まず、相続税はすべての資産を評価し、現金に換算して課税されます。5,000万円の現金はそのままの金額で評価されますが、周辺地価から5,000万円とみなされた土地は、その70~80%、3,500万~4,000万円と評価されます。つまり現金より土地のほうが、相続税の基になる評価額が低くなり、そのぶん納税額が安くなります。また、『土地に建物がある』『賃貸物件がある』などの場合、さらに評価は下がり、節税になります。