くらし情報『専門家が警鐘を鳴らす「“再稼働”で危ない全国の原発」後編』

専門家が警鐘を鳴らす「“再稼働”で危ない全国の原発」後編

というのも、基準地震動(地震によって原子力発電所の周辺で起きると想定されるもっとも大きな揺れ)が過小評価されている可能性があるからです」(小野さん)

原子力規制委員会の委員長代理も務めていた地震学者の島崎邦彦氏が、「大飯原発の基準地震動は、過小評価の可能性がある。実際は想定を超える」として、計算式の見直しを求めたのに、原子力規制委員会は、「過小評価ではない」として認めていないのだ。

「津波と同じで、現実に最大の揺れが起きないと国も電力会社も基準を改めません。3.11以前は、どの原発の基準地震動も450ガル(揺れの強さを表す単位)程度だったのに、07年の新潟中越沖地震で最大2千58ガルが記録されたとたん、新潟の柏崎刈羽原発だけは基準地震動が2千300ガルに引き上げられました。本来は、地震が起きる前にリスクを最大限に見積もって備えないといけないのに、国も電力会社も平均値をとって過小評価したがるのです」

再稼働の申請のもとになる“ゆる試算”に疑問を呈すのは、小野氏だけではない。米国原子力プラントメーカー・ゼネラルエレクトリック社の元技術者だった佐藤暁さんも、こう批判する。

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