くらし情報『“300年女人禁制”伏見の酒蔵率いる2児のママの人生』

“300年女人禁制”伏見の酒蔵率いる2児のママの人生

それでも、酒づくりはできないかもと悩んでいた日々を思えば、本当に充実した毎日でした。いちばん学んだことは、酒づくりは共同作業で、みんなでつくり上げていくものだという心構えでした」(大塚さん)

だから、一人一人が自分の持ち場を決して手を抜いてはいけない。この教えを守り続けた大塚さんのことを、周囲もまた見守っていた。入社から5年後、ベテラン杜氏の引退とともに、抜擢されたのは大塚さんだった。木村紫晃社長(62)が語る。

「彼女が入社してきたのは、まさに世代交代の時期やったんです。うちの会社にとっても、日本酒業界にとっても。メモは一つの象徴にすぎなくて、私は、その真剣さを買いました。
『うまい酒をつくりたい』という熱い思いですね。それが誰より強かったのが、たまたま女性の大塚くんやったということ」(木村社長)「

だが、周囲には女性杜氏を歓迎しない声もあった。

「中学や高校を出てすぐに蔵に入った働き手が多いなかで『大学院出の女のコが杜氏って、なんでやねん』という意見もありましたが、私が押し切りました。彼女が学んできた作物学などの学問も、これからの酒づくりには武器になると確信していましたから」

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