85歳のチアリーダー 留学は53歳から、チーム結成は62歳!
という父の勧めだった。入学したミシガン大学では、下宿でも教室でも日本人留学生たちと日本語で会話をしてしまうため、日本人のいない小さなカレッジに転校。
「楽しかったですね。半年間でしたが、英語も覚えました。そしてなにより、この体験のおかげで30年後の50代にまたアメリカに行こうと思えた。人生、何事も必ずステップになるし、つながっていくんですね。無駄はないんです。すべてラッキー(笑)」
帰国後は住友金属に就職し、英語力を生かして翻訳を担当。
25歳で製薬会社勤務の男性と結婚して家庭に入った。
「彼は8歳年上でしたから、父のように頼りになると思ったんです。でも違ってた。旧家に生まれ育った夫とはすべてにギャップがあって。最初から水と油だったかな」
26歳で長女を、29歳で長男を出産。しかし、’84年に滝野さんは27年間の結婚生活に終止符を打った。52歳からの再スタートである。
「1人の部屋で、なんとかしなければ、と考えていたとき、かつての留学仲間が勉強していたジェロントロジー(老年学)を思い出したんです。
老いと社会との関係を研究する学問なのですが、50歳のときに父の死に直面してから“老いて生きる”ことをずっと考えていました。