ケーキの上で虫が大量に!? VRで“認知症の世界”体験してみた
「はい、足を出して降りてくださいね〜。一、二の、三!」
そう言われても、1歩でも踏み出せば落ちる!怖い!思わず後ずさりしつつ、とまどっていると舞台が暗転。ワゴン車の前にたたずんでいた。装置を外すと、下河原さんが解説してくれた。
「これは認知症の方がデイサービスの職員に送られてきて、ワゴン車から降りる感覚を再現したものです。認知症により空間認識がうまくできないと、地面まで15センチほどの段差でも、高層ビルの上にいるような恐怖を感じている可能性が。そこで『降りてください』と言われたら、どうですか?“どう見えて”いるか“だけでなく”どう感じているか“まで体験することで、認知症の方への理解や共感が深まるはずです」(下河原さん・以下同)
次は、記憶障害が強いアルツハイマー型認知症を疑似体験。VRの世界に入ると、そこは電車の中。
でも、どの駅で降りればいいのかわからない……。ほかの乗客につられて降りた駅で「ここはどこですか?」と駅員に尋ねると「出口は向こうですよ」