村上茉愛 63年ぶり金メダル支えた母「殺人的な子育てでした」
人生はずっと勉強だと思います。世界一と言っても来年にはまた別の世界大会がある。3年後には東京五輪がある。一度世界一になったらそれでいいとは誰も言いません。必ずもう一度となりますから」
英子さんは自慢の娘の“偉業”にも、さらに心配ごとが増えてしまったとでも言うような表情をしていた――。
本誌は10月14日、朝から夕方まで予約がぎっしり入っているという英子さんの「ei美容室」を訪ねた。仕事が一段落した夕方、英子さんが村上家の“メダルへの道のり”について詳しく話してくれた。
「私には弟と妹がいて母子家庭で育ちました。
習い事でもエレクトーンなどは大嫌いでしたが、中学で体操部に入ると、それが面白いように上達して。それで地元の大会に出たときに、人生で初めて人前で表彰されてメダルを首にかけてもらった……。つらい家庭で育ったけど、初めて自分を誇らしく思えたんです」
だがその後、伸び悩む。
「正直『ああ、遅かった』と思いましたね。トップレベルの選手はみな小さいころから始めていますから。