国王からホームレスまで…世界に発信していく「茶の心」
路上に毛氈と傘を持っていって、ポットのお湯でお茶を点て、道行く人たちに、『ジャパニーズ抹茶、いかがですか』って。たくさんの方が興味津々で召し上がってくださいます。そうそう、ロンドンでは、おまわりさんから『何してる?』ととがめられそうになりましたが、『ジャパニーズ・ピクニックです』と答えたら、笑って行ってしまいました」
昨年4月、首脳会談のために来日したエストニア共和国の首相が銀座の茶室を訪れた。しかし、VIPを前にしても、竹田さんはいつものように無心にお茶を提供するだけで緊張することはなかったという。
「点てたお茶を楽しんでいただこうという気持ちは、どの方にも同じですから」(竹田さん・以下同)
以前、ロサンゼルスのロングビーチで“路上茶会”をしたときには、こんなことがあった。海岸のベンチに毛氈を広げて準備していると、そのベンチの“住人”なのか、初老のホームレスの白人男性が近くで見ていたのである。
「でも、何かが始まると気がついて、自分のような者がいたら申し訳ないという感じで立ち去ろうとするんですね」