来年4月から埼玉、京都も…「自転車保険」義務化の背景は?
男性会社員には言語機能の喪失等重大な障害が残った。(’08年・東京地裁判決)
【ケース2】賠償額6,779万円
男性がペットボトル片手に下り坂を猛スピードで走行。交差点に進入した際、38歳の女性に衝突。女性は脳挫傷で3日後に死亡。(’03年・東京地裁判決)
こうした事件が後を絶たない、と柏木さんが続ける。
「とくに’13年に兵庫県で起きた事故は、自転車保険を意識させる大きな出来事だったと思います。当時小学5年生の少年が、夜間走行中、62歳女性に正面衝突。女性は頭蓋骨骨折の重傷で、一命は取り留めたものの、意識が戻らなかった。
女性への損害賠償額は、9,521万円。子どもの起こした事故のため、監督責任のある母親に賠償命令が神戸地裁から下されました」
兵庫県では、全国に先駆けて’15年10月に義務化をスタートさせている。同県の県民生活局の職員に話を聞いてみた。
「交通事故件数は減っているものの、人対自転車の事故は’13年までの10年間で1.9倍増。事故に遭われた方がすみやかに賠償を受けられるためにも、保険加入義務化の声は上がっていたんです。