西山美香さん(38)〈私は殺ろしていません〉獄中から訴えた350通の手紙
と供述を変えてしまう。すると、Y刑事の態度がコロッと変わった。
《(鳴っていたと言ったら)急に優しくなって、Y刑事のプライベートなこととかいろいろ聞いて私のことを信用していろんな話も聞いてくれてすごくうれしかった》
刑事は美香さんが、幼いころから優秀な兄にコンプレックスを持っていたことを知ると、「西山さんは、むしろかしこいコ」などと言葉巧みに美香さんの気をひき、意に沿う供述を引き出そうとした。
供述心理学者の鑑定で人に迎合しやすい傾向があるとされた美香さんは、Y刑事に優しくされて舞い上がり、好意を寄せてしまう。
しかし、「アラームは鳴っていた」という美香さんの供述のせいで、看護師Aさんへの取調べが厳しさを増したことを知った美香さんは、「私のせいだ……」と自らを責めた。
なんとか供述を取り消してもらおうと、「実は鳴っていません」と書いた手紙を警察署に持っていったが、取り合ってもらえない。
「(アラームが鳴っていたのなら)チューブが外れていたはず」と、問うY刑事に、「私がチューブを抜きました」