認知症の権威が教える「暴走運転老人」のボーダーライン
だ。
認知症研究の第一人者で、『運転を続けるための認知症予防』(JAFメディアワークス)の著者、鳥取大学医学部・浦上克哉教授(61)が、運転時の認知障害について解説してくれた。次のクルマの運転時に起こりやすい事象は非常に危険だという。
・運転中にバックミラー(ルーム、サイド)をあまり見なくなった
・アクセルとブレーキを間違えたことがある
・曲がる際にウインカーを出し忘れることがある
・反対車線を走ってしまった(走りそうになった)
・右折時に対向車の速度と距離の感覚がつかみにくくなった
「認知症に多いのが、“同時に2つのことができなくなる”ということ。『運転中にバックミラー(ルーム、サイド)をあまり見なくなった』、『曲がる際にウインカーを出し忘れることがある』は、運転をしながらバックミラーを見たり、ウインカーを出したりすることができない、やらないというケースです。これは2つのことを同時にやりにくくなる場合と、そもそもウインカーを出すことすら忘れてしまっている場合もある。本人は運転のみに集中しているので、ほかに注意が向かなくなるんです」