くらし情報『85年前の“元祖アイドル”明日待子さんが語るデビュー時代』

85年前の“元祖アイドル”明日待子さんが語るデビュー時代

若かったし、何より舞台が好きだったから、まるで苦にならなかったの」(待子さん)

待子さんは、大正9年、岩手県釜石市に9人きょうだいの末っ子として生まれた。幼いころからその才能を発揮し、小学校の学芸会で義太夫をうたえば「天才だ!」と騒がれた。さらに、可憐な容姿も評判を呼び、13歳で女優を目指して上京する。そんな彼女を一目見てほれ込んだのが「ムーラン・ルージュ新宿座」の創設者・佐々木千里夫妻。「まぁ、なんてかわいい!」とすぐさま養子縁組届を出してしまったという。

菊池寛、志賀直哉、吉屋信子、横光利一らの文豪をはじめ、早稲田大学や慶應の大学生たちも彼女見たさに劇場へと通い詰めた。だが直接言葉を交わす機会など皆無。ファンレターやプレゼントの類いが彼女のもとに渡ることはなかった。


「送られてくるお手紙は『キレイです』『お茶をのみましょう』といった内容が多く、本人がうぬぼれてしまうような褒め言葉は、芸の道の妨げになるからと、見せてもらえなかったのよね」(待子さん)

劇場「ムーラン・ルージュ新宿座」の歴史を振り返るドキュメンタリー映画『ムーランルージュの青春』(’11年公開)

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