スターアナの父・露木茂明かす“女子アナブーム”の舞台裏
ですから、仕掛人などではありませんよ。当時の社風と時代に彼女たちがマッチしただけで、私はその『邪魔をしなかっただけ』なんです(笑)」
ブームの契機となったのは’70年代末。フジテレビは分社化していた制作部門を自社に統合する、大改革を行った。
「このとき、アナウンサーも報道局から編成局へ移されました。これによって、ニュース番組のキャスターという1つの頂点しかなかった女性アナウンサーの目標に、バラエティや音楽番組など、さまざまな『場』ができた。いわば頂上が増えたことで、彼女たちの個性が輝いたのでしょう」
その草分けが、『なるほど!ザ・ワールド』のレポーターに抜擢された益田由美さん。瞬く間に番組の顔となった。
「次がひょうきんアナの山村美智子でしょう。
社内では女性アナウンサーにこんなことまでやらせるのかという批判もありましたが、僕は『女性アナウンサーが、ここまでできるんですよ』と反論していましたね。番組制作も型破りな時代だったので、彼女たちにもとにかく自由にやっていこう、と話していました」
採用担当者として重視したのは一貫して「画面越しに魅力的に映るかどうか」。