2018年3月31日 16:00
突然の左遷を好機へと変えた「服薬補助のゼリー」女性開発者
古参の保守派が、福居さんたち、改革派を排除しようと動いたのだ。朝、異動先の自分のデスクで、パソコンを開こうとすると、上司から、「仕事はするな。パソコンは不要」と、注意される。電話に出ることさえ禁止された。
「あまりに暇で、学術誌を読もうとすると、また叱られる。何もすることがないんです」
本社から毎朝、電話が入ると、上司はすまなそうに「まだ、辞めていません」「そんな気配もありません」と報告していた。ほかの社員が働くなか、机にただ座っていることしか許されなかった。左遷先は、福居さんだけを対象とした、“追い出し部屋”だったのだ。
改革チームだった上司も、地方の営業職に異動になった。昼休みに連絡を取り合うと、上司も慣れない営業に苦労しているようだった。
「辞めようと思うこともありましたが、家族を抱え、慣れない土地で奮闘している上司と話すと、簡単には辞めてやらないぞって、闘う気持ちが出てくるんです」
それでも体は正直で、ストレスのためだろう、顔じゅうにふきでものが出た。
藤井社長も、古参役員に攻撃され、身動きが取れない。