「衣服ごしに体を触られた」が6割以上、「体を密着された」が4割以上で上位1、2を占める<痴漢被害の実態>
「直接加害者の行為を止める」というのは、なかなか勇気がいることですが、最も確実な方法です。おそらく被害者の人にとっても心強かったことでしょう。
東京都「令和5年度 痴漢被害実態把握調査 報告書」より一部改変
周囲の反応の効果|9割以上の痴漢行為が止まった
では、こうした周囲の人の対応によって「痴漢行為が止まったかどうか」を聞いてみたところ、電車内では92.7%、駅構内でも94.7%の人が「止まった」と回答しました。したがって、直接加害者の行為を止める、あるいは被害者に声をかけるなど間接的に介入すれば、痴漢行為がほぼ止まることがわかります。
加害者は周囲に痴漢行為が発覚するのを最も恐れているはずですから、周囲の人が何かしらの反応を示すことには、痴漢をやめさせる効果が大いにあると言える結果ではないでしょうか。
東京都「令和5年度 痴漢被害実態把握調査 報告書」より
まとめ
混雑したなかで行われる痴漢行為は容易には発覚しにくく、被害者が声を上げづらいのをいいことに行われる卑劣な犯罪です。痴漢行為に及ぶ人を減らす取り組みが大切ですが、そのためにはまず、痴漢行為を止めさせる有効な対策が欠かせません。