元TBSアナ・久保田智子さんが赤裸々にさらけ出した「私の家族」。褒めてくれなかった母の本音を、やっと聞くことができた
上下関係があると下の人が上の人に気を遣ってしまうので、対等な会話はすごく難しいんですね。親が子どもに寄り添えば対等に話せるのですが……。
ーー確かに子どもは力関係で大人に敵いません。そのままでは対等な関係になれませんよね。
久保田そう、絶対になれません。だから大人がきちんと意識して、子どもが委縮せず対等に話せるようにする必要があります。そうして生まれるのが、会話……というか対話「ダイアローグ」です。そうでない会話はじつは独白「モノローグ」で、一方的なものになりかねません。
世代的なものもあるかもしれません。昔は特に年功序列の社会で、学校教育でも先生が生徒に向けて一方的に話(モノローグ)を聞かせるのが普通でした。今では子どもの声に耳を傾けること、子どもの主体性を促すことが推奨されるようになってきていますが、私の親世代では一般的ではありませんでした。
ーー「対話」というのは、具体的にはどのようにしたらできるのでしょうか?
久保田オーラル・ヒストリーでは、「何を問いかけるか」を重視します。そして、まだ言語化されていない部分を共同作業で言葉にしていきます。具体的には「なぜそう思うんですか?」