今週の「おとな向け映画ガイド」 男がSMに目覚めるフィンランド映画『ブレスレス』と、タイのおしゃれな断捨離映画『ハッピー・オールド・イヤー』をオススメします。
客と間違われて、プレイにひきずりこまれ、首を絞められ、窒息し、意識を失いそうになる刹那、水死した妻の像が見えたのです。その一瞬の幻想が忘れられず、クラブを再訪し……、彼の生活は一変していきます。
BDSMというそうです。B=ボンデージ(拘束)、D=ディシプリン(調教)、SM=サディズム&マゾヒズム。「お前は犬だ、這いつくばれ」とか「足をおなめ」とか。一応すべてでてきます。そのケがない人にとってはどこかブラック・ユーモアも感じます。でもこの主人公の場合、ちょっと切ない。
主演のぺッカ・ストラングはフィンランドを代表する名優。この作品で、ユッシ賞(フィンランド・アカデミー賞)の最優秀男優賞を受賞しています。昨年日本でも公開された『トム・オブ・フィンランド』で伝説のゲイアート・イラストレーター、ラークソネンを演じ、注目されました。彼をいたぶる女王様役のクリスタ・コソネンは『ブレードランナー2049』に起用された国際派。日本では来年公開予定の、ムーミンの原作者トーベ・ヤンソンの生涯を描いた『TOVE』にヤンソンの女性の恋人役で出演しています。
首都圏は、12/11(金)からヒューマントラストシネマ渋谷で公開。