くらし情報『『ブランクーシ 本質を象る』アーティゾン美術館で開幕 パリのアトリエをイメージした展示空間も』

2024年4月5日 17:00

『ブランクーシ 本質を象る』アーティゾン美術館で開幕 パリのアトリエをイメージした展示空間も

そのひとつ、身振りで苦痛を表す子どもの姿をとらえた《苦しみ》は、ロダンの影響がうかがえると同時に、後年のモダンな表現に至る以前の具象表現を見せてくれる貴重な作例だ。

『ブランクーシ 本質を象る』アーティゾン美術館で開幕 パリのアトリエをイメージした展示空間も

展示風景
次の展示室に足を踏み入れると、まずはその広々とした白い空間に作品が並ぶたたずまいに圧倒される。ブランクーシのアトリエが自身の着衣も含めて白一色だったことから、同展も内装を白で統一したそうだ。重要なトピックスの解説パネルが壁面にある以外は、キャプションもない。作品情報は、作品番号と解説入りの作品リストを照合して得る仕組みだ。ここでは、文字情報にとらわれることなく、より作品にフォーカスできると同時に、彫刻の配された美しい空間自体を味わうこともできる。


『ブランクーシ 本質を象る』アーティゾン美術館で開幕 パリのアトリエをイメージした展示空間も

展示風景コンスタンティン・ブランクーシ《接吻》1907-10年石橋財団アーティゾン美術館
ブランクーシがロダンから離れた背景には、彫刻に対する考え方の違いがあったという。基本的に粘土で塑造を行なうロダンに対し、ブランクーシは素材への関心を深め、直彫りの手法へと向かったのである。この変遷期の重要な作品が《接吻》だ。直彫りで生み出した石の作品をもとに、後に石膏で制作したもので、近くで見ると素材の質感も感じとれる。

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