アイナ・ジ・エンドが気づいた人間の性「依存も共存もなるようにしかならない」
彼のつくるサウンドも、アイナいわく「煌びやかだけど歪で、綺麗だけどエキセントリック」。『劇場版モノノ怪 唐傘』の色彩感覚とリンクするような音像を前に、彼女自身も挑戦した。
「自分も負けないように、いろいろな引き出しを開けて、この歌い方をしよう、あの歌い方はどうだろう、と試行錯誤しました。この映画って、女の人の情念がものすごく渦巻いている映画だと思うんです。女の人と生きるにあたって、暮らしのなかには絶えず情念が潜むものだし、女って怖いな〜って思うし(笑)。でも、それが可愛らしくもあるというか。「Love Sick」にも、歌詞の至るところに女の人の情念が滲んでいるんですよね」
彼女が挙げた、映画と楽曲の共通点は「情念」。急勾配なメロディに、負けじとついていくような歌詞を追いかけていくと、確かにいまにも壊れてしまいそうなデリケートな心が見え隠れする。
それでも、最後に仄めかされるのは「光」だ。
「最後は、ちょっと希望が見える歌詞で終わらせてもらっています。壊れてしまいそうだけど、でも会えそう……っていう、光みたいなものが見えて終わる。この部分に至るまでに、いろいろな歌い方をしてみました。いつもより声を歪ませたり、「Love Sick(ラブシック)」