おとな向け映画ガイド オススメはこの3作品と名画座の小沢昭一特集。
サウナに入り、熱したサウナストーンに水をかけ、蒸気を発生させ、白樺の小枝を重ねたヴィヒタで体を叩き、ビールを飲む。木のベンチに腰をかけ、汗のでるのにまかせます。やがて、ひとりがゆっくりと口を開きます。自分の過去、死んだ仲間、家族、パートナーのこと……。横に座った友人たちはじっと聞きいり、ときどき、思い出したように相槌をうちます。
でてくるサウナもつい笑ってしまうほどさまざまな種類があります。トレーラーハウスや廃車の自動車、電話ボックスを改造したものまで。クリスマスにはサンタのおじさんもサウナに勢揃いです。
フィンランドでは1年以上ロングランするヒットとなった、2010年の映画です。こういう、少したそがれた感じの、やさしい映画も時にはよいと思います。こんなに多くの無防備な「おちんちん」がでてくる映画は初めてです。どこか哀愁を感じる風情すらあります。
『ある船頭の話』
オダギリジョーの初長編監督作品です。役者として、日本はもちろん、東アジアの巨匠たちとの現場も多いだけに、どんな作品になるのか、楽しみにしていました。予想外の題材に驚かされましたが、「便利なものが増えていく一方で、消えていく美しいものや大切な何か」