GRAPEVINE×betcover!! 異なる世界観で観客を圧倒させた、一夜限りの対バンライブをレポート
確か渋谷のO-WESTだったと思うが、ちょっと動いたらギターのヘッドが他のメンバーの頭を直撃しそうな密集状態で演奏しているのを、観たこともある。この日はそこまで極端ではなかったが、下北沢SHELTERのステージでも大丈夫な程度には、真ん中に密集していた。
betcover!!
恒例のSE、金井克子「他人の関係」(1973年のヒット曲)とともにステージに登場したbetcover!! (この日は5人編成)が、演奏したのは13曲。2023年リリースの『馬』収録の8曲はすべて演奏、その一作前の『卵』(2022年リリース)から3曲、その前の『時間』から2曲、という内訳だった。
13曲もやったのに、きっかり50分で終わったのは、ほとんどの曲と曲がシームレスにつながって、演奏されていくから。シームレスすぎて、オーディエンスが拍手をはさむ隙間もない。4曲目の「鉄に生まれたら」が終わって、5曲目の「母船」がドラムで始まる、そのほんの一瞬の間に、みんな慌てて拍手をねじこむ、というくらいの按配だった。
その「母船」のイントロに乗せてメンバー紹介をしたときと、ラストの「鏡」をやる前に、「ありがとうございました。