2023年9月14日 12:00
矢崎広が世界恐慌の時代を生きる青年に「彼らはつらい経験もしているけど、同じくらい将来への夢もあった」
入りやすかった。僕の中でどんどん、1920年代後半以降のアメリカの光景が本当に目の前に広がっているかのように濃くなっていると感じる。本当に面白い時代だと思いました」
話を聞くと、カンパニー各人が自身の知識と感性を総動員しているように感じる。実際、矢崎も稽古後の疲労が半端ないと打ち明ける。横浜の稽古場から都内に戻る時も、乗っていた電車の中で何度も寝過ごしてしまったそう。「『ここ、どこだ?』状態で、すごい所まで行っちゃったこともある」と思わず苦笑するのだった。
そうした経過を経ているだけに、カンパニー全体がまとまり、とても仲が良いという。しかも、稽古の合間も特に雑談はしないのだとか。
「この戯曲に関連して、今の自分たちと重ね合わせた話が多いですね。『ここで起きている通貨のインフレって、これと似てますよね』と、歴史や経済の話になっているんです。もともとシルビアさん、河内さんや関谷春子さんとは面識がありましたけど、その人たちに限らず皆と話しています。大谷亮介さんも、すごく素敵な方なんですよ。ちょっと言葉で表現するのは難しい、存在自体がなんとも言えないおもしろさでいらっしゃる」と、大先輩とも良い雰囲気であることが窺える。