綾野剛×豊川悦司ダブル主演『地面師たち』原作者・新庄耕のインタビューが到着
この作品は、エンターテインメント性をもたせたいと思って書いていたところがあって、実際──集英社では年に1回、各部署の「目玉」をメディアに向けて披露する機会があったのですが、そこに選んでいただいたときの反響が、すごかった。結局、何社からも、映像化したいという話をいただきました。
──そこに、大根監督の名前もあったのですか?
順番的なところは、ちょっと覚えてないんですけど、大根さんだけ、会社ではなく個人だったんですよね。編集部に、とつぜん電話が掛かってきたみたいで(笑)。もっとも、各社でコンペをすることは決まっていたので、企画書の提出をお願いしたみたいなんですけど、大根さんだけ、その企画書の内容が全然違いましたね。他の会社さんは、パワポで作ったよくある企画書というか、どれもビジュアルを中心にした感じだったんですけど、大根さんの企画書は、企画意図が文字でビッシリと書いてありました。
──どんなことが、書いてあったんですか?
それまで自分が、どのような作品を作ってきたのか、そこにどのような問題意識をいまかかえているか、そしてそれを乗り越えるために次は圧倒的に新しいものを作らなければならない、その題材を探しているところに、本屋で私の本に出会ったみたいなことが書かれてありました。