2022年6月18日 12:00
映画『PLAN 75』磯村勇斗インタビュー、「“生きる”ということに対して何かを感じられる作品になっている」
――具体的に早川千絵監督とはどんな話をしたのですか。
撮影シーンでヒロムの持つ感情をその都度話していたんですが、前半はどこまで業務的で、どこまでの明るさが必要なのかとかを話して。後半、伯父さんと出会って、例えば、伯父さんを見つめるというシーンであれば、どういう表情をするのか、とか。
子どもの頃に知っていた若い頃の伯父さんではない、年を取って“プラン 75”に加入して死ぬ覚悟を持った伯父さんをどう見てどう感じているのか。止めたい気持ちがあるけど、それができない。そういうちょっとした感情の変化の確認作業みたいなところでいろいろと話しました。
話し合うことで道標が見えたので、監督のおっしゃるビジョンに向けて演じることができました。監督はご自身で脚本も書かれているので全部わかっているんです。
だから不安なことがあったら逐一聞いていました。
――早川監督の印象も教えてください。
早川監督は今後、日本の映画界を背負っていく一人になるんだろうなと。偉そうですけど、そのパワーとか、センスを現場でひしひしと感じました。
演出も俳優に親身に寄り添ってくれて丁寧なんです。お芝居が嫌いと言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、いかに芝居っぽいものを削っていくかという作業をされていて、その場で生まれるリアルなものを大事にする方でした。