小関裕太・岡宮来夢ら新キャストの演技が光る迫力のステージ ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』観劇レポート
その移り変わりがヴィヴィッドで、可憐さと芯の強さのバランスも絶妙だ。
そんな彼女との出会いによって運命が変わるロミオは、以前ふたりが取材で語っていたように、それぞれが自分らしいロミオ像を確立している。強引な例えだが、小関ロミオは少女漫画に登場する王子系、穏やかで柔和な青年像。対して岡宮ロミオは少年漫画の主人公。朗らかでまっすぐ、友情に厚い青年像。または、水のたおやかさと火のまばゆさといったところ。共通しているのは“死”に怯える繊細な感性の一方、これと思い込むととことん一途なことだろうか。また、ふたりとも驚くほど歌もセリフとして心に響き、全身でロミオを表現している。
共に、後々まで語り継がれるロミオだろう。
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ロミオ岡宮来夢・ジュリエット奥田いろは(乃木坂46)ver.舞台写真©ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』公演事務局【撮影:渡部孝弘/田中亜紀】
それにしても、今回の公演は、海外で今も絶え間なく続く戦火など国内外を取り巻くさまざまな状況故に、皆がある種の切迫感をもって作品のもつ意味を感じとるのではないだろうか。まさに今、上演する意味がそこにあり、今後もキャスト・演出などさまざまな意味で新しい風を入れながら公演を重ねてもらいたい。