小関裕太・岡宮来夢ら新キャストの演技が光る迫力のステージ ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』観劇レポート
別の立場からロミオとジュリエットを愛し見守り、また歌唱面でこの作品を大いにリードする、津田英佑のロレンス神父と吉沢梨絵の乳母の存在も大きい。コミカルな要素も聴かせどころもたっぷり、そして何といっても白眉は乳母の「あの子はあなたを愛している」。その深い慈しみに胸を打たれない者はいないだろう。
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さらに、極上のスパイスを利かせているのが雷太のパリス。“くせ者”感満載で目が釘づけになってしまう。第1幕で、姿は現さないものの彼のヒューマンビートボックスのスキルが発揮されていることも嬉しい。
歌も演技も高いレベルで魅せ、語り継がれるであろうステージに
こうしたベテランのシングルキャストに支えられ、Wキャストの若者組も各々の魅力を存分に発揮している。内海ベンヴォーリオは友をふたりも失いひとりになるという、この上なく痛切なイニシエーション(通過儀礼)を経て大人になる姿を細やかな表情の変化で描き出した。
伊藤マーキューシオは大人や社会への苛立ちを表出しつつ、最期にはロミオへの思いやりに情の深さがにじむ。しかも15日のゲネプロから3公演目である21日という短い期間の中で、驚くべき飛躍を見せた。