『ジョーカー2』ホアキン・フェニックス&監督インタビュー。「彼は自分の分身を、マスクをどう扱うのか?」
そこでフィリップスは、レディ・ガガにリー役をオファーした。彼女はシンガーソングライターであり、俳優でもあるが「普通に考えたら、ホアキンと同じ画面の中で演技をするのは不利と思われるかもしれないですよね」と笑みを見せる。
「でも、彼女は俳優として本当に素晴らしかった。僕が最も驚いたのは、彼女が“もろさ”を表現できる俳優だったこと。リーを演じる上で重要なことですが、彼女はそれを簡単に成し遂げた。それは驚くべきことでした」
心に哀しみ、痛みを抱えたアーサーとリーは向かい合い、喜びは音楽になって世界を埋めつくす。しかし、思い出してみてほしい。アーサーは本当に愛されているのだろうか?かつて彼は同じような勘違いをしていなかったか?
「少し簡単すぎる言い方になってしまいますが、前作のアーサーは救済を求め、愛を探していたけど、その解釈を間違えてしまったんです」とフェニックスは言う。
「彼は人とのつながりを求め、人からの愛を求め、同時にコメディアンとして賛辞を受けたかった。でも、子どもの頃から愛情を受けてこなかった彼は、コメディアンとしての賛辞、ジョーカーに集まる賞賛を“自分に注がれるはずの愛”と置き換えてしまったんです」